チンパンジー:全体像つかむ能力、人に負ける 京大

E9D59B1C-E168-436A-A143-30BAAAA6ADF2-2817-00000559457C0BA3 京都大霊長類研究所の研究グループは、断片的な映像を頭の中でつなぎ合わせて全体像をつかむ能力にヒトが特に優れていることをチンパンジーとの比較で実証したとの研究成果をまとめ、19日付の英国科学誌電子版に掲載された。

20131119k0000e040217000p_size8グループの伊村知子・新潟国際情報大学講師(実験心理学)は「ヒトとチンパンジーで類似点が多いとされる視覚分野でも、ヒトは優れた能力を備えている。進化の過程を考える上で重要な手掛かりになる」と話している。

研究グループは、チンパンジー4頭と大学生8人を対象に、視覚による認知能力の違いを実験した。ニワトリやハサミ、アイスクリームなど40種類の平易な絵(8センチ四方)を用意。まず、チンパンジーのみに、絵の1枚がディスプレー画面の左から右に流れていくのを見せた後、それと同じ絵を3枚の選択肢から選ぶテストを繰り返したところ、正答率は9割を超えた。 次に、画面中央部に設けた幅1.6ミリの細長い隙間(すきま)の部分だけから移動する絵の一部が見える状態で同様のテストを大学生とチンパンジーにすると、正答率は大学生が94%だったのに対し、チンパンジーは約半分の55%だった。

研究グループは、チンパンジーは断片的画像情報を頭の中でまとめ、全体像を認識する能力がヒトのようには発達していないと考えられると指摘した。伊村講師は「コミュニケーションや文章などで、断片的な音や文字をつなぎ合わせて全体を読み取るヒトの能力とも関係している可能性がある」と話している。

Source : 毎日新聞