LINEがきっかけの事件多発…原因はスマホ利用に?

恐喝、美人局つつもたせ、援助交際などの事件が次々に報道されている。 いずれもLINEでのコミュニケーションをきっかけとしたものだが、LINEだけに問題があるのではなく、安易なスマートフォン利用にも原因がありそうだ。 恐喝、美人局、少女売春、画像送信など事件が発生 LINEの運営会社では、10代向けの「LINE 安心安全ガイド」を作成して安全対策を呼びかけている 今年に入って、LINEを悪用したり、LINEがきっかけの様々な事件が多発している。LINEはスマートフォンを中心としたメッセージ・無料電話サービスで、国内利用者はすでに4500万人を突破。スマートフォンでのコミュニケーションツールの定番となった。 LINEをきっかけとする事件は昨年から増えており、未成年が被害者になるものが多かった。今年に入ってから起きた事件を見てみよう(カッコ内は報道された月)。 ●少女買春容疑。塾講師を逮捕(3月) 神奈川・田浦署は、LINEで知り合った中学3年の女子生徒に2万円を渡し、みだらな行為をした疑いで、東京・世田谷区の学習塾講師を逮捕。 ●女子高生に淫行。会社員男性を逮捕(3月) 佐賀署は、県青少年健全育成条例違反で、長崎県の会社員を逮捕。LINEで知り合った15歳の女子高生に対して、佐賀市内のホテルでみだらな行為をした疑い。 ●高1女子に裸画像送らせた自衛官…LINE端緒(4月) 仙台中央署は、自衛官を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)の疑いで逮捕。LINEで知り合った高校1年の女子生徒に、裸を撮影させて画像を送信させた疑い(参考記事)。 これらの事件は、いずれも未成年者が被害者になったものだ。淫行や援助交際、画像送信などで、大人が未成年者に被害を与えている。中高校生の利用者が多いLINEを狙って、大人が起こした事件といえるだろう。 これとは逆に、未成年者が加害者になった例もある。 ●LINEで「美人局」、少年少女4人が恐喝容疑(4月) 富山中央署は14~16歳の少年、少女計4人を恐喝容疑で逮捕。女子中学生がLINEで知り合った男性を呼び出し、殴る蹴るの暴行を加えて、現金約6万円入りの財布を脅し取った疑い。(参考記事) LINEで知り合った男性を呼び出し、暴行を加える「美人局」の事件だった。14~16歳の少年・少女が加害者であることから、全国ニュースでも報道された。また未成年者ではないが、同様の恐喝容疑の事件も起きている。 ●LINEで知り合った女に誘い出されて暴行を受ける(4月) 大阪市の男性が、LINEで知り合った女に誘い出され、男3人に羽交い締めにされ殴られた。加害者である男女4人は、携帯電話を奪って逃走した。 上の富山の事件と同じように、犯人グループの1人である女性が被害者を呼び出して、お金を巻き上げる手口だ。LINEを出会い系の連絡手段として使う人が増えているため、このような事件が起きていると思われる。 LINEはあくまで連絡ツール。運営会社の対策も強化 多くの事件が「LINEで知り合った」として報道されているが、実はLINEには「出会い系」のような機能はない。LINEでは「友だち」に登録された人と、メッセージや電話のやり取りができるが、知らない人と直接メッセージをやり取りする機能や、出会いを募集する掲示板はないのだ。 では、どうやって「LINEで知り合う」のだろうか。それは、LINE本体とはまったく関係のない非公認の掲示板・サイト・アプリなどを使っているからだ。「ヒマなので話しませんか?」「会いませんか?」などと書き込み、連絡先としてLINEのIDを記入している。つまり、連絡先がLINEになっているだけで、LINEそのもので知り合うわけではない。 これらLINEのIDを書き込む掲示板や出会い系アプリは、昨年から大きな問題になっており、LINEの運営会社側も対策を進めている。LINEの運営会社が、掲示板サイトなどに対して、削除依頼や閉鎖の依頼を出している。そのため、以前よりはLINE利用の出会い系サービスは減ってはきている。 ただし、「LINE出会い掲示板」といった名前を使わないサービスがあるほか、LINEのIDを直接書かずに、数字などを交ぜて書き込むユーザーもいる。そのため、今後も「LINEで知り合った」とされる事件が起きる可能性が高い。 もう1点、事件の性質も見ておく必要がある。ここに挙げた事件は、恐喝・援助交際といったもので、今までも起きていたものであり、LINEだから起きたわけではない。連絡手段に何を使うのか、という問題だ。たとえば古くはダイヤルQ2や伝言サービスといった有線電話のサービスでも同様のことが起きていた。携帯メールの時代もあったし、最近ではSNSが舞台になった事件も多かった。 連絡手段が時代によって変わっているだけで、事件そのものには大きな変化はないのだ。LINEが爆発的にユーザーを増やしているために、「LINEきっかけ」「LINEで知り合った」とされる事件が大きく報道されているが、LINEだけが原因ではないということは頭に入れておきたい。 このような事件が多発している原因は、スマートフォンの急激な普及にあると筆者は考えている。携帯電話とは異なり、インターネットに直結しているスマートフォンは、利用者の安易な行動が犯罪につながりやすい。寂しいからと始めた知らない人とのメッセージのやり取りが犯罪につながったり、未成年者のイタズラが犯罪となることも多い。インターネットと直結しているスマートフォンは、いわば社会の悪の部分ともつながっている。それを考えずに安易に行動してしまう人が、被害に遭っているといえるだろう。スマートフォンでもっとも使われているサービスであるLINEが、事件のきっかけとなっているのだと筆者は思う。 LINEの安全対策と、保護者・先生がやるべきこと とはいうものの、LINEを通じてのコミュニケーションが何らかの事件につながっているわけで、利用者と保護者による対策が必要だ。 LINE利用者の対策としては、IDでの検索をオフにすることが大切だ。LINEで知り合う方法として使われているのは、LINEのIDの検索なので、必ずオフにしよう。LINEの運営会社でも、10代向けに「LINE安心安全ガイド」のページを作っている(パソコン向けスマートフォン向け)。 保護者や学校の先生は、LINEを実際に使ってみることから始めてはどうだろうか。今や中高校生の必須ツールとなっているLINEとはどんなものなのか、実際に自分のスマートフォンや携帯電話で使ってみたい。保護者であれば、子供とLINEの「友だち」になることからスタートすればいい。子供とのコミュニケーションになるし、LINEをきっかけとする犯罪について話し合うきっかけとなるからだ。 [browser-shot width=”360″ url=”http://line.naver.jp/safety/ja/”]   [Source:YOMIURI ONLINE 2013年4月19日]